(母乳育児支援研究所顧問 橋本武夫医師) 

感染症と母子同室

新生児に与える粉ミルク用のポットの中に覚醒剤が混入されていた事件や、
産科の新生児室でクラミジアの院内感染の多発など、悲しい報道が相次いでいます。 いずれの病院も母子別室であったことに注目しなければなりません。

産科の病院によっては、通常赤ちゃんは新生児室で管理され、授乳の時間だけ お母さんと一緒という母子別室のところがあります。
母子同室に比べると、こちらの方が非常に清潔で きちんと管理されているように感じますが、現実には母子別室のほうが新生児室で院内感染が多発しているのです。

新生児室で管理されている赤ちゃんの場合、もしもケアを担当する助産師さんたちの手を介して赤ちゃんにばい菌が入ったりすると、 その菌に対して赤ちゃんは何の免疫を持たないことがほとんどなので、 感染症を発症し、すぐ他の赤ちゃんにも伝播していく特性があります。 以前からブドウ球菌感染症や大腸菌性下痢症などの新生児室での流行も話題になりました。

ところがずっとお母さんと同じ部屋にいる赤ちゃんは、新生児室に比べると 周囲のばい菌は多いかもしれませんが、 もしお母さんが持っている菌に感染したとしても、 お母さんのおっぱいをいつも飲んでいるので、おっぱいの中から菌に対する 免疫をもらうため、発病は抑えられるのです。

やはり生まれてすぐの時期は、いつもお母さんのそばに置いて抱いてあげ、 語りかけ、おっぱいを飲ませることが出来る母子同室の方が、 感染症を防ぐという意味でも非常に有意義であることをあらためて強調したいと思います。


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